MIYOTA Cal. 90 Series
プレミアム機械式ムーブメントの
新スタンダード
プレミアム機械式時計の
新しい未来をつなぐ。
本格的な機械式時計に求められるものは何か。
その答えをマニュファクチュールで導き出し、
市場の新たなスタンダードとなった今も
進化し続けるムーブメント「MIYOTA Cal.90 Series」。
開発背景には、プレミアム機械式時計の常識を変え、
新しい未来へとつなぐMIYOTAの思いが込められています。
EPISODE 1 時代が求めたムーブメント MIYOTA Cal.90 Series
機械式ムーブメントの
新たな救世主として。
21世紀初頭。新しい価値観で本格的な機械式時計をつくろうとしていた時計ブランドにとって、スイス製ムーブメントしか選択肢がないことは、ものづくりの障壁のひとつでした。スイス製ムーブメントは高額であるとともに供給に限りがあることも多く、将来的に安定供給が保証されるかどうかも不安の種でした。
スイス製にこだわることなく、長期的な安定供給を望める高品質な機械式ムーブメントを確保したい。そんな声に応えて、MIYOTAは市場の新しいスタンダードとなりえる薄型のプレミアム機械式ムーブメントの開発に着手。2年間の試行錯誤を経て、2009年に30年ぶりとなる新キャリバー「MIYOTA Cal.9015」を発売。機械式時計の新たな救世主とも言えるこのムーブメントは、世界中の時計ブランドに支持され、機械式時計の可能性を大きく広げました。
薄さと強さを、
⾼次元で両⽴する。
「Cal.90 Series」の開発には、これまでにない挑戦がありました。もっとも⼤きな課題は、薄型を⽬指しながら堅牢性を維持することでした。従来より薄いムーブメントをつくるだけなら容易い。しかし、⼀部の時計職⼈しか扱えないような脆弱な構造では意味がない。そこでMIYOTAは、⽣産技術をゼロから⾒直し、各部品の精度を極限まで⾼めることで薄さを実現しつつ、より幅広い⼈々が扱うことのできる堅牢性と耐久性基準を満たすラインを模索。数々の実証実験を繰り返し、ベースキャリバーの総厚を3.9mmに統⼀しました。こうして、薄さと強さを両⽴するムーブメントが⽣まれました。
マニュファクチュールの
思想を胸に。
なぜ、薄さと堅牢性を両立させた、他にはないムーブメントをつくることができたのか。そのひとつの答えが、MIYOTAに息づくマニュファクチュールの思想です。私たちは、ねじから歯車、テンプ、ひげぜんまいに至るすべての部品をグループ内で開発・製造しています。特にひげぜんまいは、世界でも自社で製造できるメーカーはごくわずか。MIYOTAでは、一つひとつの部品をミクロン単位で設計・制作・管理し、その高精度の部品を組みあげることでムーブメントを完成させるため、薄型ながら堅牢性を備え、しかも安定した品質で量産できる体制までをも実現できたのです。
より多機能へ。
そして本格GMTへ。
「Cal.90 Series」は、発売以降もさらなる進化を遂げます。2010年には、パワーリザーブ表示などのさまざまな機能を搭載した「Cal.91 Line」を発売。画期的なデザインに挑戦するインディペンデント系の若いブランドを中心に、新しい機械式時計の流れをつくり出しています。そして2021年には、外販市場では珍しいTrue GMT機構を搭載した本格機械式キャリバー「Cal.9075」を発売。本物志向のブランドを中心に高い評価を得るとともに市場の拡大に貢献しています。
EPISODE 2 新しいフラッグシップ Cal.9075 True GMT
MIYOTAのこだわりが
ムーブメントの随所に。
機械式時計業界で格上の存在である、True GMT。独立して時針を動かすことのできるTrue GMTの外販ムーブメントは、この当時、世界中を見渡しても存在していませんでした。そのため、自社でムーブメントを製作可能な企業以外の時計ブランドは、本格GMT時計への参入に足踏みせざるを得ませんでした。そこでMIYOTAは、長年にわたり培ってきたノウハウとマニュファクチュールの思想による高精度部品をもとに研究開発を重ね、2021年にTrue GMT機構を搭載した本格機械式キャリバー「Cal.9075」を発表。世界中の時計ブランドが待ち望んだムーブメントは、MIYOTAの新しいフラッグシップとなりました。
クリック感を
徹底的に追求。
「Cal.9075」は、True GMTの魅力のひとつである時針調整のクリック感を徹底的に追求しました。部品の設計時から幾度とない試作を繰り返し、修正を重ねることで、時計回りと反時計回りのどちらも同等かつ上質な感触を実現。MIYOTAのものづくりへの飽くなき挑戦が、細部へのこだわりを生み出しています。
時計外観に
自然に溶け込むデザイン。
ムーブメントは時計に組み込まれて初めて完成品となります。「Cal.9075」では、設計段階で針位置や巻き芯位置を緻密に計算して開発しているため、完成時計の外観に自然に溶け込むデザインが可能。時計デザイナーたちにインスピレーションを与える、他にはないTrue GMT機構を実現しました。
EPISODE 3 長く愛されるために Heat-blued screw
その深い青色は、
時間を超えていく。
ムーブメントを構成する部品にも美しさと耐久性を。2024年より、MIYOTAはCal.90 Seriesにおいて「Heat-blued screw」のオプション販売をスタート。「Heat-blued screw」は、その名の通り、高熱で青焼きする製法を用いてつくられる青いねじ。MIYOTA独自の特許技術により、サビや褪色などの経年劣化をしにくくさせることで、深みのある青色が長続きします。小さな部品にこそこだわるMIYOTAのクラフトマンシップが、これからも長く愛され続ける腕時計を支えていきます。